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11回目。最終回を迎えました。
 
こんばんは、ジョージです。トリを飾るのは、中野裕之監督『IRON』と『全速力海岸』。
 irin.jpg
 


IRON
 
中野裕之 / 2005 / 14:57 / 日本
 



 
 白いものを見ると、アイロンをかけたがる男。生きることの複雑さをアイロンに込めて伝えようとする男の不器用な生き様と、心の葛藤を描く。何事にも筋の通らない今の世の中に、若き任侠の徒が語りかけるものとは・・・。 白黒の鮮やかなコントラストが“和”の世界観を感じさせる秀作。
2006年度カンヌ国際映画祭 批評家週間 ヤング批評家賞受賞作品。
 


zennsoku.jpg
 


『全速力海岸』
 
中野裕之 / 2006 / 11:48 / 日本




 
 この海岸には伝説がある。北に向かって祈りながら走ると願いが叶うってやつだ。
 短編.JPOne Day Movie」企画の一つ! 中野監督のおもしろ短編ムービー!
 
 
 
 中野裕之監督は日本のショートフィルム界の第一人者といってもいいお方。今回クラークシアターで2作品も上映させていただけるとは夢にも思いませんでした。
 
 中野監督は「映像」のジャンルを縦横無尽に活躍されていて、短編映画の他にもCM、ミュージッククリップ、自然の映像など、監督のお言葉を借りれば「見る人をなんだか気持ちよくするピースな映像」を作り続けています。
 
 短編映画でも、今回上映する『IRON』がカンヌ映画祭で受賞したのを始め、2005年には『RE:サイクル』という作品を愛・地球博に提供したり、僕の家の近所の某レンタルビデオ店においてある数少ない短編映画DVDの一つ『Short Firms』に参加したりと、華麗な活躍をされています。 
 
 
 作品の内容にも触れましょう。『IRON』は今回の短編ラインナップの中で唯一のモノクロ作品。とにかく映像が綺麗です。どのシーンを抜き出してもそのまま画になる気がします。
 
 主役は一人のやくざの男。彼にとって、人生はアイロン。一本気ですね。モノクロ映像で撮られる筋骨隆々とした肉体は彫像のよう。憧れます。
 
 音楽の使い方も見事。モダンな感じです。パキッとした映像と主人公にまろやかさを加えているというか、直球すぎてともすれば一本調子になってしまいそうな感もあるところにうまく深みを持たせる効果を果たしているように思います。
 
 
 
『全速力海岸』は『IRON』とは対照的な一本。とにかく爽やかな作品です。
冒頭からスピード感溢れる作品です。ミュージッククリップを長く作り続けている中野監督ならではの、音楽と絶妙にシンクロした軽快なテンポで物語は進んでいきます。
 
 タイトル通り、登場人物たちはひたすら走ります。「とりあえず前に走れ!」と高校のときの部活のコーチに言われた記憶が蘇ってきます。観てるこちらまで気持ちよくなるぐらいの走りっぷりです。
 そして、走る、という至極単純な行為を通じて登場人物同士が共鳴していきます。
 
『全速力海岸』は短編.JPというウェブサイトにて公開されていた作品です。なのでウェブ上でも観ることができるのですが、今回は大スクリーンでの上映。ダイナミックな全力疾走が観られることと思います。
 
 
 
 『IRON』は短編作品No.001中で上映されます。
 
短編作品No.001 上映時間             10月26日 10:00 ~ 11:40
                                     10月27日 17:10 ~ 18:50
                                        10月28日 11:45 ~ 13:25
 
『全速力海岸』は短編作品No.002中で上映されます。
 
短編作品No.002 上映時間                    10月26日 16:50 ~ 18:30
                                      10月27日 09:30 ~ 11:10
                                        10月28日 18:45 ~ 20:25
 
 

 
以上で、全13作品の紹介が終了したわけですが、皆さん楽しんでいただけましたでしょうか。
この作品紹介を通じて、当ブログをご覧の皆さんに今回上映される13作品それぞれの魅力が少しでもお伝えできていればいいなと思います。
 
日付も変わり、もう月曜日。クラークシアター開幕まで残すところあと3日を残すのみとなりました。いやー、いよいよですね。今から震えが止まらないです。
 
短編作品以外にも、本当に皆さんに楽しんでいただける作品を揃えたつもりです。
スタッフ一同、ご来場を心よりお待ちしております。
 
ではまた、クラークシアターでお会いしましょう。


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どうも、ハヤタです。
長編紹介第2回目です。
 
 
今回は2003年公開の日本映画『チルソクの夏』です。
『半落ち』で2005年日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞した、佐々部監督の初期の作品です。
 
ストーリーはこんな感じ。
「1977年7月7日。釜山で行なわれた下関と釜山水の親善陸上大会に親友の真里、巴、玲子と共に出場した高校2年生の郁子は、同じ種目の韓国人青年・安大豪と淡い恋をする。「来年の夏、この大会で再会しよう」。そして二人の文通が始まる。
携帯もメールもない時代。日本と韓国が現在ほど親しくなかった時代。障害を乗り越えて1年後の再会を夢見る2人・・・。」
 
もうこれ読んでるだけで胸キュンですよね。笑
ちなみにこの映画は「第22回日本映画復興激励賞、新藤兼人賞」「第44回日本映画監督協会 新人賞」を受賞しています。
 1597c599.jpg
 
 
 
 






下関と釜山での恋。日本人と韓国人の恋。
「そんなベタな設定はシェークスピアの頃からお決まりじゃん!」
と思ったあなた。
この映画を見くびらない方がいいですよ。笑

 
 
 
僕はこの映画を観て、「あぁ、“距離”の映画だなぁ」と思いました。
 
まずこの映画は主人公の郁子が20年以上前の青春時代を思い返すところから始まります。
まずここに「時間的な距離」があります。
この映画は人の記憶や思い出の世界を描いたものなんですね。その証拠にこの映画は細部はぼやけて、美しい部分がより美しく残っているようにも見える。そしてそのためにこの夢のような、その場その時の感覚の世界みたいな話は不自然さを残さないのではないでしょうか。一瞬一瞬の感覚がとてもキラキラしていて、その一瞬の羅列が思い出の中の一番鮮明な部分と呼応しているようにも見えます。
 
 
そして次に「物理的な距離」があります。
映画のワンシーンに、郁子が韓国のラジオ番組を聴いていて、一方釜山にいる安くんは日本のラジオ番組を聴いているシーンがあります。
日本と韓国は隣国であるし、しかもその中でも下関と釜山というのは極めて近距離に位置しています。
お互いの街のラジオ番組が聴こえるのに、でも1年に1度しか会えない。
会えそうで会えない…、近いようで遠い…、そんな距離感の表現がとても巧みだと思いました。
 
 
最後に「精神的な距離」があります。
日本と韓国というのは「一番近くて一番遠い国」とかなんとか言われます。やはりそこには複雑で、根深い歴史背景があるのですね。
実際にこの映画でも、郁子の周囲の人間は「なんで韓国人なんかと付き合っているんだ!」と声を荒げ、安くんの周囲でも「日本人と付き合うのはやめなさい!」と叱る描写があります。
日本と韓国という物理的な距離以上に、「日本人」と「韓国人」の間には精神的な距離、隔たりが存在するんですね…。悲しいことですがそれもまた事実なのでしょうか。
親の世代やその前の世代のわだかまりを否応無しに引き継がざるを得ない郁子と安くんの葛藤がまじまじと表現されています。
 
 
そんな3つの距離、「時間的な距離」「物理的な距離」「精神的な距離」の表現がこの映画はとても卓越していて、是非みんなに観てもらいたいと思い上映作品の1つに選定しました。
 
…まぁそんな難しいこと考えなくても、基本的には胸キュン映画だし、『耳をすませば』とか『小さな恋のメロディ』が大好物なあなたには絶対に満足してもらえるはずです。笑
 
 
 
 
映画のラストシーン。
「日本と韓国がこれからどのような間柄になっていって欲しいのか」
佐々部監督の希望・願いを垣間見られたような気がして、とてもすがすがしい気持ちになれました。
 
必見です。
 
 
上映スケジュールは以下の通り。
・10月26日 12:10~14:05
・10月27日 16:20~18:15
 
 
次回は黒沢清監督の『アカルイミライ』です。
今回よりも熱く語りますよ。笑
 
委員長のかりんです。

昨日は本番前の最終ミーティングでした。
どんな長丁場になるかと思いきや、意外と早く終わりました。…っていっても、10時半から19時くらいまでやってましたけど。

昨日はE口さんのお土産、バームクーヘンじゃんけんで盛り上がったりと楽しくMGできたと思います。
大事なこともちろん詰めました。

みんなあと4日だよ…!!パンフ撒きもチケット売りも頑張りましょう。

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←大切なスタッフ達とともに。
  最後まで残っていた方々です。




そしてもう一つ、驚きが。
以前から仲良くして頂いている方の三角山放送局のラジオ「フォーク喫茶」に2年ぶりのゲストとして緊急出演してきました!!
17時からの番組なんですが、聴いてくれた方いますか~?
その日の午前中に決まったんですよ。
その方も「まさか本当に来るとは思わなかった」とおっしゃっていましたよ。

リクエストはもちろん今年の映画館Pのテーマソング(?)とも言える、イルカさんの「なごり雪」です♪

そんなこんなであと4日!!
まだチケット買ってないよ!!という方はお早めに北大生協へ。

あ、私に連絡くれても売りますよ。


今日で10回目。あと残すところ2回となりました。
 
こんばんは、ジョージです。今日は『さよなら青春の光』。
 



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『さよなら青春の光』
 
Popple Peape Productions / 2004-5 / 10:48 / 日本
 
 




 いたずら描き風な独特のタッチの一つの絵をもとに展開するアニメーション作品。「人が自分以外の人に何かを伝える時」に起こる葛藤、その先にある様々な現象、というものに向き合う事ができたという作品。今回はその様々の作品集の中から
3本を厳選して上映します。お楽しみに!
 
 


 「ん? なんだこれは?」
おそらく一本目を見終わった時、大半の人は戸惑い、こう思うのではないでしょうか。しかし、じわじわ笑いが来ます。じわじわ来るんです。ボディーブローのように。
 
 映像は基本の一枚の絵を違う角度で撮ったり、動かしたりクローズ・アップにしたりするだけ。一枚の絵だけで作られた映画なんてなかなかお目にかかれないでしょう。
 しかもその絵は悪く言えば適当。エンピツでそこらへんに描いたような絵です。しかしこの絵もじわじわ来ます。
 
 この作品には字幕(みたいなもの)が付くんですが、実際登場人物が話している内容とは微妙に違う。ここもじわじわ来ますね。
 
 
Popple Peape Productions のメンバーは三人。札幌と宮城に拠点を置いて活動されています。
 
Popple Peape Productions のHPにも、クラークシアターで上映される事が書かれていました。しかも、なんと14ヶ月ぶりのHP更新らしいです。わざわざありがとうございます。
 
 
個人的におススメする『さよなら青春の光』の正しい見かたは、

1
本目でこの独特な世界観に慣れる。
2本目は必死で笑いを堪える。
3本目でげらげら笑う。
 
こんな感じです。一度お試しあれ。
 
 
『さよなら青春の光』は短編作品No.001中で上映されます。
 
短編作品No.001 上映時間                 10月26日 10:00 ~ 11:40
                                        10月27日 17:10 ~ 18:50
                                        10月28日 11:45 ~ 13:25
 
 
 
 
次回はいよいよ最終回。中野裕之監督『IRON』と『全速力海岸』の二本立てでお送りする予定です。最後まで、どうぞお付き合いください。

長編作品の紹介もしていきたいと思います。ハヤタです。
 
第1回は、日本のドキュメンタリー映画『選挙』です。
 
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 この『選挙』という映画は、監督は想田和弘さんという日本人の方なんですが、すごく「日本人離れ」している作品だと思いました。
 
作品内容を簡単に言えば、
「東京で切手コイン商を営む山内和彦さんが、ひょんなことから自民党公認で市議会議員の補欠選挙に出馬することに。政治家の秘書経験もない山さんは、政治の素人。地盤どころか後援会すらないまま、激しい選挙戦に突入することになり…」
というその一連の選挙の様子を追ったドキュメンタリー映画です。
 
 
監督曰く「ドキュメンタリーも通常は終わりを決めて撮影、構成に合う映像を当てはめるが、何も考えずに撮った」。
 
展開される現実を撮り続けることで、先入観を捨てて、現実を観察し、そこから学ぶという監督自身のドキュメンタリーの根本姿勢が映画に表現されており、ナレーションもなければ、特殊効果や音楽さえもない。
NHKのドキュメンタリー番組を40本以上も演出したことがあるという監督だからこそできる、大胆な演出ではないでしょうか?
 
 
 
ここからは僕の個人的な感想。
 
この映画は、「一体何のために選挙に出馬しているのか」、国民のためなのか、自分のためなのか、家族のためなのか、それとも単に所属政党のためなのか…、そういった視点をぐるぐるぐるぐる回していく構成がとても巧みです。
(あえて「構成」という言葉を使います。)
 
また、日本の選挙制度の「おもしろい点」がハッキリと見てとれます。
映画の象徴的なワンシーンに、山さんがあるインタビュアーに「山内さんのマニュフェストはなんですか?」と尋ねられて、山さんが答えるのにどもってしまうシーンがあります。
つまり日本の選挙は、政策や理想ではなく、「顔」や「イメージ」を売る選挙なんですよね。
名前やイメージさえ上がれば、当選できる。
(実際に政治とはほど遠いような芸能人が当選している現状があるわけで。)
 
 
さて、この『選挙』は日本国内はもとより、国外での評価のほうが高いみたいです。
ベルリン映画祭を始め、世界で10以上の映画祭に招待されています。
それは、やはり日本の選挙は外国人から見れば、「特殊」なものに映るからであろうし、「おかしい」(というよりは「滑稽」という表現か?)からだと思います。
日本人にはおなじみの選挙風景も、外国人から観れば笑えるといういうのだから、色々考えさせられる所がありますよね。
 
海外の映画祭に引っ張りだこの映画『選挙』ですが、日本ではもうほとんど上映されていません。
現在北海道では我らが北大『CLARK THEATER』でしか上映されません。…たぶん。
この機会に是非『CLARK THEATER』で観てみてはいかがでしょうか?
 
 
選挙に対する日本人の「ステレオタイプ」をぶち壊してくれるようなこの作品。
「わかっている」はずのものの選挙や選挙運動が、これを観ることによって「あれ?」と思うと同時に、政治とは離れた全く他のものに変化して、笑いあり、涙ホロリ、怒りあり、のメロドラマを観ているような気分にさえしてくれる120分間です。
 
必見です。

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 上映スケジュールは以下の通り。
 
・10月27日 19:20~21:20
・10月28日 13:55~15:55
 
 
次回は『チルソクの夏』の紹介をしたいと思います。
「あぁ、ノスタルジー」って感じです。笑


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