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どうも、ハヤタです。
最終回の最終回です。
 
今回は活動弁士である佐々木亜希子さんのご公演について語ります。
 
 
 
そもそも「活動弁士」というのは、何者なのか?
映画の草創期、まだフィルムに音がなかった時代、日本の映画館では必ずスクリーンの横に「活動弁士」がいて、その語りと楽士の生演奏が付きにぎやかに映画を楽しんでいたんです。「活弁」は語り物文化の発達していた日本独特の映画文化なんですね。
 
現在では十数人になってしまったと言われている活動弁士さんですが、全盛期には全国に8000人もいたといいます。
また当時映像はこれだけですから、ある意味現在のアナウンサーであり、ナレーターであり、コメンテーターであり、声優であり、シナリオライターでもあり、語り部であったのです。
人気弁士の服装が流行スタイルになっていたとか。とにかく人気の職業だったんです。当時は人気弁士の番付表などというものもあり、トップクラスの人気弁士は、有名スター俳優や時の首相(!)ほどの月俸をもらっていたそうです。
 
うーん。タモリさんと関根さんと古館さんとエビちゃんと…が合わさったような人物だったんですね。
…ちょっと例えが下手すぎました。笑
 
 

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さて、お話ししたように活動弁士さんは無声映画に命を吹き込む職業だったわけですが、そもそも今の人には「無声映画」というもの自体に親しみがないと思います。
無声映画の魅力について簡単に説明してみましょうか。
無声映画は、音がない分、俳優は表情とアクションで感情や人物の状況がわかるようにしなければなりませんでした。そのため、わかりやすく、少々オーバーな表現ながら圧倒的な演技力と迫力を見せてくれる俳優もたくさんいます。CGなどもちろんない時代なので、体を張ったアクションシーンや苦心したトリック撮影も見所の一つです。
その時代の文化が映し出されている映像だけでなく、劇中で描かれる、今となんら変わらないテーマ、人の情、機微なども大きな魅力です。単純で、表現がストレートな分、胸を打つものがあるんですね。
 
 
ところで、今回【CLARK TEATER 2007】で上映する無声映画は、1922年のアメリカ映画『豪勇ロイド』、1932年の日本映画『生まれてはみたけれど』の2本です。
 
『豪勇ロイド』はチャップリン、キートンと並び称される「三大喜劇王」の1人、ハロルド・ロイドの作品です。
ロイドはチャップリンなどと比べるとあまり有名ではないですが、日本では第一次世界大戦以降の大正中頃から昭和初期にかけてかなり人気があったらしいです。ちなみに1925年にはチャップリンの『黄金狂時代』を、同年の『ロイドの人気者』で興行成績を上回っています。1952年にはコメディアンの巨匠、及びよき市民として「アカデミー特別賞」を授与されました。
そんなロイドですが、現在の日本ではなかなか作品を見る機会がありません。ましてや北海道でなんて…。
今回の『豪勇ロイド』はロイドの作品の中でも傑作と言われてます!
 
 
『生まれてはみたけれど』は巨匠・小津安二郎監督の作品であり、無声映画の傑作と言われています。
この作品は「大人の見る絵本」なんていうサブタイトルがつけられていて、その名の通り絵本をめくるように物語が進行します。
子供がみた大人の世界。大人のための大人の世界が、そして大人が忘れてしまった子供の世界を、小津監督が絵本のように紡ぎ出す。
笑って、泣いて…。なんともいえない温かい気持ちになれる作品です。
 
 
いやー。
今から楽しみですね。よだれが出てしまいます。うへへへへ。
 
無声映画を、活弁を、観たことがない人でも絶対に楽しめる作品です!
 
 

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そして今回、東京からはるばる【CLARK THEATER】にお越し下さるのは、「活動弁士」佐々木亜希子さん!!!!!
僕らのプロジェクトの理念に賛同していただき、この度は忙しい中札幌に来てくださることになりました。本当に感謝です!
個人的な感想で申し訳ないですが、8月に公演交渉をしたときに「やりましょう!」と仰ってくださった時の感動は忘れられません…。
 
その日から、当プロジェクトの中では佐々木亜希子さんは、小津安二郎より、ロイドより、黒澤明より、チャップリンより、有名な映画人となっています。
神様扱いです。笑
 
佐々木さんは大学卒業後、NHK山形放送局や関東のTV・ラジオでアナウンスやリポート、ナレーション、MCなどを経験した後に、平成11年、日本独特の話芸文化「活弁」に出会い、平成13年より活動弁士として活動されている方です。
全国各地の映画祭、公共施設での公演を始め、東京国立近代美術館フィルムセンター等日本を代表するフィルムアーカイブに出演しており、また大学での特別講師、活弁教室講師も務め、現在130作品以上のレパートリーを持っているんです。
すごい!!
 
今回の【CLARK THEATER 2007】でも20分程度の「活弁体験コーナー」を設けて、ご来場の一般客のみなさんに「活動弁士ってなんだろう?」という紹介をする時間を作る予定です。
現在めっきり後継者の少なくなった弁士を継承するため、そしてなにより日本の誇る素晴らしい語り文化を後世に伝えるために、全国各地で「活動弁士」を多分に広めるご公演をされているんですね。
 
 
 
「活動弁士」と「無声映画」。
その時代を知るオールドファンの方々にも、初めて体験する子どもたち、若い世代の皆にも、懐かしく、新しく、温かく、心躍る楽しいエンターテインメントです。
是非【CLARK THEATER 2007】でお楽しみください!
 
 
上映スケジュールは以下の通り。
・10月27日 14:10~16:40
 
 
 
いよいよ今夜、【CLARK THEATER 2007】開館です!

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